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社務所の建て方の様子をレポートします。

建て方は数日で建物の大きさや形が一気に立ち上がります。

 

この時が一番、木構造の骨組みの力強さや美しさがシンプルに伝わりますし

設計者としても気持ちがわっと上がる時です。

 

今回の特徴について、いくつか紹介したいと思います。

 

① 宮大工さん(清内路の三清建築さん)がつくっています。

長く社寺仏閣に携わっている宮大工であり、昔からお世話になっている櫻井さん。

この辺りでは珍しく若手の大工さんをたくさん抱えているあたりが将来性を感じますし、伝統は継いでいくものだという意思を感じます。

 

② 従いまして、仕口や継手はすべて「手刻み」となっています。

プレカット技術が進んだ今、あえて手加工にこだわる姿勢を貫くのは簡単なことではありません。

墨付け、番付、ほぞなど手の痕跡があちらこちらに。

思わず、ため息がでます! 人の手がかかったものがとても好きです。

 

大工さんの設計図。「板図」

③ 無柱空間のためのトラス構造。

間口4間半、広間の無柱空間 3間を在来構法で実現するための構造となっています。

現場で5組のトラスを組んだ後、クレーンでつり上げ組み上げていきます。

  

トラスは構造的に部材や金物を小さくできたり、力学上も合理的にでき、また、施工も早くできます。

したがいまして経済性にも優れます。地元の大工さんができるのもいいことですね。

建築は、多くの人の手によって出来上がります。

建て方は、大工さんが一番多くなる時なので一層そのようなことを考えます。

建築がどのようにしてできていくか、どんな人が関わっているかは、なかなか伝わりづらい部分かと思うので

少しずつお伝えできたらと思います。

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